台風の備えでは停電ばかりが注目されますが、沖縄では停電がそのまま断水になることがあります。 水道管が壊れていなくても、です。この仕組みを知らないと、備える量を間違えます。

なぜ停電で水が止まるのか ── 加圧ポンプ

金武町は、集合住宅の断水についてこう説明しています。

アパート、マンションなどの集合住宅の加圧ポンプ(電気を使用して水に圧力を加え、高架タンクや蛇口まで水を送る機械)を使用している方は、台風による停電や漏電ブレーカーが落ちることで加圧ポンプが動かなくなり、断水になります

つまり、水は来ているのに、上の階まで押し上げる装置が止まるわけです。 集合住宅にお住まいなら、停電=断水と考えて備えるほうが安全です。

そして重要なのは、漏電ブレーカーが落ちただけでも同じことが起きるという点です。 建物が停電していなくても水が止まったら、ポンプ側のブレーカーを疑う理由になります (設備の操作は管理会社・管理組合に確認してください)。

戸建てでも、高台や水圧の弱い地域でポンプを使っている場合は同じです。

台風前に、どれだけ貯めておくか

沖縄県企業局は、長期間の停電や水道施設への被害に備えて家庭での備蓄を呼びかけており、 1日に必要な水量の目安(1人分)を次のように示しています。

用途1人1日あたりの目安貯め方
飲み水3リットルペットボトルなど
生活用水20〜30リットル程度浴槽やバケツなど

金武町も同じ数字を挙げています。注目すべきは、生活用水が飲み水の7〜10倍要ることです。 ここを見落として飲料水だけ用意すると、トイレで詰まります。

4人家族なら生活用水だけで1日80〜120リットル。これはペットボトルで賄える量ではありません。 だから浴槽なのです。台風の進路が見えた時点で、浴槽に水を張ってください。

貯めるときの注意

  • 浴槽の水は飲まない。 生活用水(トイレ・洗い物・手洗い)用です
  • 小さな子どもがいる家庭は溺水に注意。 浴室に鍵をかける、扉を開けないなどの対策とあわせて
  • ポリタンクがあれば、県も「日頃から、水道水を入れたポリタンクを用意する」ことを勧めています
  • バケツ・鍋・空のペットボトルも、直前なら総動員できます

台風が過ぎたあと ── なぜ節水が必要か

意外に知られていませんが、台風の後こそ断水が起きやすい局面があります。 沖縄県企業局はこう説明しています。

住宅の清掃や車の洗浄等で水を一斉に使用しますと、需要に供給が追いつかず、断水等が発生する場合があります

台風が過ぎると、みんなが同時に片付けと洗車を始めます。その結果、 水道施設が壊れていなくても水が出なくなることがあるわけです。

金武町は、緊急でない水の使用について 「1日〜2日程度の間隔をおいて使用いただくよう」 協力を呼びかけています。

台風一過の晴天で洗車したくなる気持ちはわかりますが、1日待つ。 これだけで、地域全体の断水を避けられることがあります。

断水したら、どこを見るか

ここに落とし穴があります。沖縄県企業局は、自らの役割を 水源地から浄水処理して市町村に供給することとし、 各家庭への供給は市町村が管理すると明記しています。

つまり、

両方を見る必要があります。「県のページに載っていないから大丈夫」ではありません。 集合住宅なら、まず管理会社・管理組合に連絡するのが先になることもあります。

最新の断水状況は必ず公式の情報で確認してください。このサイトでは扱いません。

まとめ ── 台風の進路が見えたらやること

  1. 浴槽に水を張る(生活用水。1人1日20〜30リットルが目安)
  2. 飲料水を確認する(1人1日3リットル。足りなければ買い出しへ)
  3. 集合住宅なら、停電=断水を前提に量を決める

停電そのものへの備えは台風の停電にどう備えるか、 買い出しの段取りは買い出しはいつ行くか、何を買うかにまとめています。