離島の避難には、本島とは違う難しさがあります。逃げられる範囲が島の中に限られること、 そして島外の家族と連絡が取れなくなることです。

船が止まるということでは物資と医療を扱いました。 この記事は「逃げる」と「つながる」の2つを扱います。

災害の種類ごとに、逃げる先が変わる

避難場所と避難所の記事で書いたとおり、 避難先は災害の種類ごとに指定されます。小さな島では、この使い分けがより具体的になります。

竹富町は、避難施設を次のように区分しています。

避難場所: 災害等の危険から住民等が命を守る為に緊急的(一時的)に避難をする施設又は場所

避難所: 災害等で避難した住民等を災害の危険性が無くなるまで必要な期間滞在させ、 又は災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させる施設

そのうえで、災害のシナリオ別に異なる避難先を指定しています。

  • 小規模災害時の自主避難場所
  • 津波災害の避難場所
  • 津波以外の大規模災害の避難場所
  • 一時避難場所(広域避難場所)

つまり「島の避難所はあそこ」と1か所だけ覚えていては足りないということです。 台風で行く場所と、津波で行く場所は違います。

各世帯に配られている防災マップ、またはWEB版のハザードマップで、 自分の島の・災害種別ごとの避難先を確認しておいてください。 竹富町の場合、公式LINEの防災メニューに避難場所検索の機能があり、 現在地から近い避難場所と経路を確認できます。

情報がどう届くかを、先に知っておく

離島では、テレビやネットより先に防災無線が鳴ることがあります。 竹富町は、警戒レベル3以上の情報を防災無線・公式LINE・公式ホームページ・防災ポータルサイト・テレビ等で 伝達するとしています。

お住まいの市町村がどの手段で流すかを、平時に確認しておいてください。 特に公式LINEや防災メールは、登録しておかないと届きません停電の記事で書いた沖縄電力の停電情報と同じで、 これらは台風シーズン前に済ませる作業です。

警戒レベルの意味

竹富町が案内している区分は、全国共通のものです。数字が上がるほど危険です。

レベル情報発表求められる行動
1早期注意情報気象庁災害への心構えを高める
2大雨注意報等気象庁避難場所・経路・タイミングを再確認する
3高齢者等避難市町村避難に時間のかかる方とその支援者は危険な場所から避難
4避難指示市町村対象となる住民等は危険な場所から全員避難
5緊急安全確保市町村既に災害発生中または直前。直ちに安全な場所で命を守る行動

レベル5を待ってはいけません。 レベル5は「もう手遅れかもしれない」段階です。 配慮が必要な家族がいるなら、レベル3で動くのが前提になります。

実際の発令状況は、必ず公式の最新情報とお住まいの市町村の発表で確認してください。

島外の家族と、どうつながるか

離島特有の不安が、島外にいる家族との連絡です。 進学や就職で本島や県外に出ている家族がいる家庭は少なくありません。

災害時は電話がつながりにくくなります。そのために用意されているのが 災害用伝言ダイヤル(171)です。NTTは 「被災地の方の電話番号をキーにして、安否等の情報を音声で登録・確認できるサービス」 と説明しています。

使い方

録音するとき

  1. 171 をダイヤル
  2. 1 を入力
  3. 被災地の方の電話番号を入力
  4. 1 を入力
  5. メッセージを録音
  6. 9 で終了

再生するとき

  1. 171 をダイヤル
  2. 2 を入力
  3. 被災地の方の電話番号を入力
  4. 1 で再生開始

鍵になるのは電話番号です。 被災地側の電話番号を、島外の家族も知っている必要があります。 「実家の固定電話の番号」を家族全員が言えるか、一度確認しておいてください。 スマホの連絡先に頼っていると、いざというとき番号そのものを覚えていないことがあります。

利用できるのは、NTT東日本・西日本の加入電話、INSネット、公衆電話、ひかり電話、 特設公衆電話、NTTドコモの携帯電話です。他社の携帯電話からの利用は各社にご確認ください。 NTT東日本・西日本の電話からの通話料は無料です。

ただし、171は常に使えるわけではありません。 提供が始まるのは災害が起きたときで、 開設するかどうかは状況に応じて判断されます。台風のときに開いているとは限りません。 その前提でどう連絡を取るかは、停電中、家族とどう連絡を取るかに まとめました。島外の家族がいるご家庭は、あわせて読んでおいてください。

家族で決めておくこと

  • 171を使うことを、島外の家族と事前に合意しておく(知らなければ誰も使いません)
  • キーにする電話番号を1つ決めて、全員が覚える
  • 携帯の充電が切れる前提で、紙にも書いておく

この記事で扱っていないこと

避難情報の発令状況、避難所の開設状況は、このサイトでは扱いません。 必ず公式の最新情報と、お住まいの市町村の発表で確認してください。 避難場所の指定は市町村・島ごとに異なります。詳細は市町村の防災担当にご確認ください。