沖縄では、車がないと生活が回りません。同時に車は、台風で最も被害を受けやすい家財でもあります。 飛来物、冠水、塩害。どれも台風の前後の行動しだいで、かなり減らせます。

1. どこに停めるか

台風の進路が見えたら、駐車場所を見直してください。優先順位はこうなります。

  1. 屋内・立体駐車場(最も安全。飛来物と雨風を防げる)
  2. 建物の風下側で、飛来物が少ない場所
  3. 屋外でも、海沿い・低い土地・川沿いを避けた場所

避けるべき場所も具体的です。

  • 海沿いの駐車場 — 越波で海水をかぶります。塩害が桁違いになります
  • 低い土地・アンダーパス付近 — 冠水します
  • 大きな木の下、看板・電柱のそば — 倒れてくると車ごと潰れます
  • 飛びそうな物が置いてある場所の風下

沖縄県は台風対策として「風で飛ばされそうなものは、固定するか、風の影響を受けない場所に移動しましょう」 と案内しています。車もその「移動させるもの」に含めて考えてください。

窓は完全に閉め、ワイパーは立てないでおくのが無難です (立てたままだと風で煽られて破損することがあります)。

2. 冠水した道路には、絶対に入らない

これは車の話であると同時に、命の話です。

台風・大雨で道路が冠水すると、水面下の状況が分かりません。 路面が抜けていても、マンホールの蓋が外れていても、上からは見えません。 そしてアンダーパスのように周囲より低い場所には水が集まります

  • 水深が浅く見えても入らない。 判断を誤れば、車ごと動けなくなります
  • 一度エンジンが止まると、再始動できません(次の項のとおり、してはいけません)
  • 水圧でドアが開かなくなることがあります

台風時の道路の通行止め情報は、 内閣府 沖縄総合事務局の「災害(台風等)関連情報」から辿れます。 道路の通行止め、バス・モノレールの運行状況、停電、避難所の開設状況が一箇所にまとまっているので、 どこを見ればいいか分からないときの起点として使えます。

とはいえ大前提として、暴風・大雨のなかで車を出さないことが最善です。 どうしても動かなければならない事情があるときも、公式の交通情報を確認してから判断してください。

3. 水に浸かった車で、絶対にしてはいけないこと

ここが最も重要です。国土交通省は、浸水・冠水した車についてこう明記しています。

水に浸った車両は、外観上問題がなさそうな状態でも、感電事故や、電気系統のショート等による 車両火災が発生するおそれがあります

そのうえで、次を指示しています。

  • 「自分でエンジンをかけない」
  • 「バッテリーのマイナス側のターミナルを外して下さい。」 外したターミナルがバッテリーと接触しないよう、テープなどで覆う
  • 「お買い求めの販売店もしくは、最寄りの整備工場にご相談下さい」

とくに電動車について、国土交通省は強く注意しています。

ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、高電圧のバッテリーを搭載していますので、 むやみに触らないで下さい

「動くかどうか試してみよう」が車両火災の引き金になり得るということです。 浸水したら、まずエンジンをかけずにプロへ。この順番を守ってください。

バッテリー端子の取り外しに不安がある場合、特にHV・EVでは、無理に自分で作業せず 販売店や整備工場に連絡してください。

4. 台風が過ぎたら ── 沖縄特有の塩害

台風の雨風には海水が含まれます。沖縄では海沿いでなくても、 台風通過後の車体に塩分が残ります。放置すると錆の原因になります。

台風が過ぎて安全が確認できたら、できるだけ早く洗い流すのが基本です。 特に、水がかかりにくく塩分が残りやすい下回りは意識して洗ってください。

ただし、ここで断水の記事の内容が効いてきます。 沖縄県企業局は、台風通過後についてこう呼びかけています。

住宅の清掃や車の洗浄等で水を一斉に使用しますと、需要に供給が追いつかず、 断水等が発生する場合があります

つまり、全員が台風一過の朝いっせいに洗車すると、地域が断水します。 金武町は緊急でない水の使用について「1日〜2日程度の間隔をおいて」と協力を求めています。

急ぐ気持ちはわかりますが、1日待つ。 塩害は1日で致命傷にはなりません。 断水のほうが、地域全体にとってよほど深刻です。

まとめ

  1. 台風前 — 屋内か、海沿い・低地・木の下を避けた場所へ移す
  2. 台風中 — 運転しない。冠水路には絶対に入らない
  3. 浸水したら — エンジンをかけない。HV・EVは触らない。プロに連絡
  4. 台風後 — 洗車は1日待ってから(断水を招かないため)

この記事で扱っていないこと

道路の通行止めや冠水の発生状況は、このサイトでは扱いません。 必ず公式の最新情報で確認してください。 車両の状態の判断・修理の可否は、販売店や整備工場にご相談ください。