スマートフォンやテレビから、あの独特の警報音が鳴る。それが緊急地震速報です。 鳴ってから強い揺れが来るまで、数秒から、長くても数十秒しかありません。 考えている時間はほぼないので、体が勝手に動くようにしておくことが唯一の備えです。

緊急地震速報とは何か

気象庁は、緊急地震速報を次のように説明しています。

地震の発生直後に、各地での強い揺れの到達時刻や震度、長周期地震動階級を予想し、 可能な限り素早く知らせる情報

地震そのものを予知するものではありません。地震が起きた直後に、 先に伝わる小さな揺れ(P波)から大きな揺れ(S波)の到達を計算して、 揺れが来る前に間に合わせようとする仕組みです。

「警報」が鳴る基準

スマートフォンで大きな音が鳴るのは、緊急地震速報の警報です。気象庁によれば、 警報は最大震度が5弱以上または最大長周期地震動階級が3以上と予想された場合に発表され、 強い揺れが予想される地域と、震度4が予想される地域に伝えられます。

つまり、警報が鳴ったら「これから強く揺れるかもしれない」ということです。 音の大きさに驚いて固まってしまいがちですが、その数秒が勝負です。

鳴ったら、まず身の安全

やることは1つだけ、まず身の安全を確保することです。気象庁も 「あわてず、まず身の安全を確保する」ことを最優先としています。 猶予が数秒しかない以上、複雑な行動はできません。次の3つだけを体に覚えさせてください。

  1. 頭を守る
  2. 姿勢を低くする
  3. 丈夫な机の下など、落ちてこない・倒れてこない・移動してこない場所へ

このとき効いてくるのが、家具の固定です。 数秒で安全な場所へ動けるかどうかは、普段から家具が倒れない部屋にしてあるかで決まります。 逃げ込む先に家具が倒れてきては意味がありません。

場所ごとに、頭の片隅に置いておきたいこと。

  • 屋内 — 窓ガラス・背の高い家具・落下物から離れる。あわてて外に飛び出さない
  • キッチン — 火のそばなら、無理をせず、まず身を守る(揺れが収まってから火の始末)
  • 屋外 — ブロック塀・自動販売機・看板・電柱から離れ、頭を守る
  • 運転中 — 急ブレーキは追突を招きます。ハザードを出し、ゆっくり速度を落として左に寄せる
  • 海の近く揺れがおさまったら、津波に備えて高い場所へ

「間に合わないことがある」を知っておく

ここが最も大事な限界です。緊急地震速報は万能ではありません。気象庁自身が明記しています。

震源に近いところでは速報が間に合いません

震源の真上に近い直下型の地震では、警報より先に、あるいは同時に激しい揺れが来ます。 沖縄は宮古島近海・沖縄本島近海などで地震が起きることがあり、 近い場所が震源なら、速報は鳴らないか、鳴っても間に合わないと考えておくべきです。

だからこそ、速報を待つのではなく、揺れを感じたら即座に動くことが基本になります。 沖縄にも津波は来るで書いたとおり、 明和の大津波は揺れの被害がない地震でも大津波を起こしました。 「大きく揺れなかったから大丈夫」ではありません。

気象庁は、速報の精度についても率直に述べています。

ごく短時間のデータだけを使った速報であることから、 予測された震度に誤差を伴うなどの限界もあります

予想より弱いことも、強いこともあります。鳴ったら空振りを恐れず身を守る鳴らなくても揺れたら動く。この両方を持っておいてください。

スマホの設定を確認しておく

緊急地震速報は、対応するスマートフォンなら自動で受信します。 ただし、マナーモードでも鳴る設定になっているか、 格安SIMや一部の端末で通知がオフになっていないかは、一度確認しておく価値があります。

観光でお越しのご家族には、旅行中に地震・津波が起きたらも あわせて伝えておくと安心です。

この記事で扱っていないこと

実際の地震の発生・緊急地震速報の発表状況は、このサイトでは扱いません。 最新情報は気象庁など公式の情報で確認してください。 揺れたあとの避難の判断は、気象庁の警報と、お住まいの市町村が出す避難情報に従ってください。