災害時にペットをどうするか。最も多い誤解から片付けます。
「同行避難」は「一緒に住める」という意味ではない
沖縄市の説明が明快です。
同行避難とは、災害発生時に飼い主が飼育しているペットを同行し、避難所まで安全に避難すること
ただし、「避難所において人とペットが同一の空間で居住できることを意味するものではありません」
つまり同行避難とは「避難所まで一緒に行く」ことであり、「避難所で一緒に過ごす」ことではありません。
多くの避難所では、ペットは屋外や別区画での係留・ケージ管理になります。 ケージに入れないペットは、そもそも受け入れが難しいということです。 ここが、次の「しつけ」の話に直結します。
なお沖縄市は、必ずしも全てのペットを連れて行く必要はなく、 自宅が安全で定期的に戻れる状況であれば、避難所に連れていかないことも選択肢としています。 台風で自宅にとどまる場合は、これが現実的な選択になることも多いはずです。
台風シーズン前にやっておくこと
1. ケージ・キャリーバッグに慣れさせる
環境省は、平常時の備えとしてこう案内しています。
避難するときは、ペットと一緒に避難(同行避難)できるよう、 日頃からキャリーバックやケージに入ることなどに慣れさせておくことも必要です
これは当日にはどうにもならない準備です。普段からケージを部屋に置き、 中で食事をさせるなどして「安心できる場所」にしておくと、避難時の負担が大きく減ります。
環境省は、備えの基本をこう位置づけています。
これは決して特別なことではなく、普段からペットの基本的なしつけや健康管理をし、 ペットを様々な環境に慣らしておくことが、災害時の備えの基本になります
特別な防災グッズより、日常のしつけと健康管理そのものが備えだということです。
2. ペットの分の備蓄をする
環境省・沖縄市とも、十分な水・食料・常備薬の用意を挙げています。
人間の備蓄の記事で書いたとおり、 沖縄では台風後に物流が戻るまで時間がかかることがあります。 ペットフードは人間の食料以上に代替が効きません。普段の銘柄でないと食べない子もいます。
- フード・水(人と同じく、余裕をもった日数分)
- 常備薬・療法食(切らすと命に関わる場合があります。動物病院も台風中は開きません)
- ペットシーツ、猫砂、排泄物処理用の袋
- 食器、リード、首輪、ケージ・キャリー
- タオル(体を拭く、ケージを覆って落ち着かせる)
離島の記事で触れたとおり、 離島にお住まいならさらに多めに見込んでください。
3. 避難先の受け入れ条件を、平時に確認しておく
環境省は、同行避難が可能な施設かどうかを事前に確認することを重視しています。
受け入れの可否・条件は市町村ごと、避難所ごとに違います。 台風が近づいてから電話しても、確認に手間取ります。 お住まいの市町村の防災担当に、平時のうちに問い合わせておいてください (緊急時リンク集の避難情報の項から、市町村のページへ辿れます)。
避難場所と避難所の記事で書いたとおり、 「避難場所」と「避難所」は別物です。ペットの受け入れが問題になるのは、 主に滞在する側(指定避難所)です。
4. 身元がわかるようにしておく
はぐれたときに戻ってこられるよう、迷子札やマイクロチップで身元がわかるようにしておきます。 写真も撮っておいてください(探すときにも、自分の飼い犬・飼い猫だと示すときにも要ります)。
沖縄県内で犬猫が保護された場合の情報は、 沖縄県動物愛護管理センターが窓口になります。 連絡先を控えておくと、いざというときに慌てません。
避難所では、周囲への配慮が前提
環境省は、避難所での飼い主の責任をはっきり書いています。
自治体の指示に従い、ルールを遵守し、他の避難者に迷惑をかけてはなりません
避難所には、動物が苦手な人やアレルギーのある人もいます。 鳴き声、におい、抜け毛は、平時より深刻なトラブルになります。 ここでも効いてくるのが、日頃のしつけです。
飼い主自身の安全が先
環境省のガイドラインは、飼い主の安全を確保したうえでの同行避難を原則としています。
外出中でペットと離れている、ペットが逃げて見つからないといった場合に、 探しに戻って自分が被災しては元も子もありません。判断に迷う状況を減らすためにも、 台風接近が分かった時点で、ペットを室内の安全な場所に移しておくことが大切です。
台風が過ぎたあと
- 割れたガラスや飛来物で肉球を傷つけないよう、散歩の前に路面を確認する
- 塩分を含んだ雨風を浴びた場合は、体を拭く・洗う
- 停電が続くと室温が上がります。沖縄の夏はペットの熱中症にも注意が必要です
この記事で扱っていないこと
避難所の開設状況やペット受け入れの可否は、このサイトでは扱いません。 必ずお住まいの市町村と公式の最新情報で確認してください。 ペットの健康状態の判断は、かかりつけの動物病院にご相談ください。